昨年9月に白子町に来てから早半年が経ちました。大多和医院を継承するときに、目標を決めました。まず、今通っている患者さんに迷惑をかけないように継続する。 次に、白子町の医療を支えられる診療所になる。 以前から勤務してくれている職員や医師、看護師の協力のおかげで、大きな問題なく、診療を継続することができました。 白子町の住民の方に聞いてみると、多くの人が、町の外に医療を求めて出て行っているようでした。 元気な方はそれでも問題はないかもしれませんが、足が悪い方や運転ができない方などは、大変な思いをしているようです。 さらに、外来に通院が出来なくなった方は、遠方から訪問診療を手配するか、施設や療養病院に入らなくてはならないようでした。 そのような話を聞いているうちに『町の人には、町の中で、求められる医療を提供しなければいけない』と強く感じました。 もちろん大掛かりな検査や高度な治療、入院などは大きな病院でないとできないこともあります。 でも、もう少しだけかかりつけ医に診てもらえるなら、わざわざ町から出なくてもいい方も多くいます。 今後の大多和医院は、総合診療ができる医師をベースに、様々な専門の医師にも診察が受けられる体制づくりを目指していきます。 また、11月のある日、訪問診療を探していると大きな病院から連絡がありました。 患者さんから『ずっと大多和医院にかかっているから、家でも大多和医院に診てほしい』と言っていただけました。 そのような話を聞いて、居ても立ってもいられなくなり、その場で訪問診療をすることを決めました。 それ以来、毎月訪問診療の患者さんは増えております。 最近では、近隣の大きな病院から紹介を受けることも多くなりました。 今までは家にいられなかった患者さんが、僕たちの訪問診療で家にいられる時間が長くなっていけば良いなと思っています。 もちろん大多和医院で全ての医療を提供することは不可能ですが、ちょっとだけ僕らががんばることで、 数時間かけて遠くの病院まで行かなくてよくなる 住み慣れた家で過ごす時間が長くなる 最後の瞬間まで家にいられる 少しでも地域の方の助けになると良いなと思っています。 これからも白子町で求められる医療を提供できるように、がんばっていきます。